自然と人、動物・・・何でもござれ!


by choromasa

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ひとつの時代の終わりに ~ カワラナデシコ ~

7月24日

祖母の葬儀に帰った
実家の庭では、

盛りを過ぎ、

ほっと一息ついたような
ナデシコの花が


柔らかなピンクの影を
落としていました。



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カワラナデシコ
(Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams)


風のない
雨上がりの夜。

庭は
懐かしい香りに包まれて

ひっそりと
静まりかえり・・・


日中の

せわしなかった気持ちを、
落ち着かせてくれます。


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寝静まった庭で

祖母のことを
思い出そうと努力する。


そう、

一緒に暮らしたことのない

母方の祖母は
どんなひとだったのか・・・

あまり、
考えようとしなかったことに

気づきました。


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厳しかった母に叱られた時、
いつもかばってくれた祖母。

こっそりと、
おこずかいをくれた祖母。

いつも、
言葉少なく笑っていた祖母。


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大人になって、

大きな挫折をして
実家に帰り

誰にも会えずに
隠れるようにしていた時。

突然、来て、

「元気にしてるかい?」って、

そっと
笑ってくれました。




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ふと気まぐれに、

思いつきで
ぶどうを送った時、

「こんな美味しいぶどう、
 食べたことないよ!」

喜びのあまり
母に伝言した祖母。



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何かをしているところは
全く思い出せず、

心に残る言葉もない。


ただ思い出せるのは

にこにこ
笑っている姿だけ。


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そんなことを考えて

ナデシコの小道を
曲がったら・・・


ほのかに甘い香りが
私を包む・・・

それは

姿が見えず、
手で触れず

ただ、ただ、
感じるだけの芳しさ。



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急に、

今まで感じなかった思いが、
こみあげてきました。

後悔でもなく

悲しみでもない。

ひとつの時代が、
幕をひいたように・・・


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祖母の
名前は「芳」。

最後の最後まで、

無言であった祖母に
いろんな事を教わりました。

今まで、
見守ってくれて

ありがとう・・・



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なんの、なんの!

ぼくなんて

いるだけで、
みんなを笑わせるんだよ!
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# by choromasa | 2012-07-24 21:07 | 思い出

異次元の時を感じたら ~ ハマカンゾウ ~

7月11日


夏の夕暮れ。

夕闇に追われるように

子どもたちは、
田のあぜ道を走ります。

遠くに土葬の墓地。

蛍が妖しく飛び交い
足元にはオレンジの花・・・


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ハマカンゾウ
(Hemerocallis littorea )


海にほど近い実家では、

ノカンゾウと
少し葉の細いハマカンゾウが

入り混じって咲いているのです。


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夏休みも近いこの時期。

子どもたちは、
暗くなるのも忘れて

めいっぱい遊んでしまいます。

気づくと辺りには、

いつの間にか
さっきまでとは違う

妖しい雰囲気が漂い・・・


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ざわざわと
ハマカンゾウに風が立ち、

遠くの墓地が
急に近くに感じ始めると

所々に点在する屋敷森が
どんどん暗く、低くなっていくような。


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いつもは、離れて歩く
妹に肩を寄せて

屋敷森の間を抜けて行きます。

暗い細道を抜けるまで・・・

あと100歩・・・

あと50歩・・・


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「ぎゃあ~~~」


抜けた!って

そう思った瞬間。

妹が悲鳴を上げて
突然走りだしました!!



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「ひぇ~~~」

妹のあとに続いて

いちもくさんに
走って、走って・・・


長屋門にたどり着いて

ふと、振り返ると



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走ってきた道に

ハマカンゾウの黄色い花が
点々と咲いていて、

その間を縫うように

いつもの可愛らしい蛍が、
飛んでいるのでした。


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遠くで吠える犬の声。

うるさいくらいの蛙の鳴き声。


さっきまでの
おどろおどろした時が

ふっと・・・

過ぎ去ってしまったようです。



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こわいよお~

ぼくにはねっ

人に見えないものが
みえるんだぁ~
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# by choromasa | 2012-07-11 20:39 | 植物

遥かなる恋人へ ~ アストランチア ~

7月8日


" Auf dem Hügel sitz' ich,spähend
  In das blaue Nebelland,

Nach den fernen Triften sehend,
  Wo ich dich,Geliebte,fand. "



丘の上に座わり

私のまなざしは、
目の前の青い空、
霧に包まれた草原を越え、

遥か彼方にある
あなたを見染めたあの牧場へと・・・


 
*An die ferne Geliebte
Alojs Jeitteles
(遥かなる恋人へより抜粋)




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アストランチア・マヨール
(Astrantia major)


雨あがり、
青空の午後。

林の奥、
アストランチアの茂みに

密かな溜息のような歌いだし・・・

今は亡き
フィッシャー=ディースカウの声が流れます。


注)写真のCDはペーター・シュライヤーです。


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「遥かなる恋人へ」


この詩は、
医学生だったアロイス・ヤイテレスが

疫病の街での医療活動の折、

ベートーベンからの
手紙の返答として
書かれたものだそうです。



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目の前の、
人の苦しみや惨状、

そして死に対峙する毎日

そんなこととは無関係に
美しい山や丘。


恋人との美しい日々に
思いを馳せたのでしょうか?


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ふと、

忙しすぎて
涙がこぼれそうになった

この2週間のことが思われます。


今週は、
聴く人たちにとっては、

なんの変哲もない
一つの講義があるんです。


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6月の終わりに
講義を担当される方が、

突然、この世を去られました。


驚きと共に、

ことは事務的に、
順調に片付けられ

滞りも最小限に抑えられました。


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" Dort im ruhigen Tal
  Schweigen Schmerzen und Qual,
  Wo im Gestein
  Still die Primel dort sinnt,
  Weht so leise der Wind,
  Möchte ich sein!
  Möchte ich sein! "

 君のいる牧場には、
  静かな谷があり、

 そこでは、
 痛みも苦しみも消え、

 岩間にはサクラソウが
 ほのかに香り・・・

  風がきらめく。

 ああ、僕はこのまま
 ここに留まっていたいのに。


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林の奥に咲く
アストランチアに時が止まり、

私も

このまま、
ここに留まることができたなら・・・




*** *** ***


「そんなこたぁ~
 おれにはどうだっていいんだよ!」

「馬だよ、うま!
 おんまさんはよぉ、
 走ってくれりゃあ、そんでいいんだよ」

ふと、

がらっぱちな先生の言葉。



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賭け事の好きな先生は、
いつもそんな風に

物事を片付けていました。


生きていくのは、
走り続けていくようなもの。

時間は、

今日も、明日も
流れ続けていきます。



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さあ、帰ろう!



最後の講義には、

きっと
先生もそこにいて

「ばかばかしてくって
やってらんねえよ」って

そんな顔をしてるに決まってる♫



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ぼくもやってらんないの!

暑いしさぁ~

歯がないから
べろが口からでちゃうんだよぉ~
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# by choromasa | 2012-07-08 16:11 | 植物

ほんのりと紅をさして ~ ゲンペイシモツケ~

7月1日

「ねえ、まえちゃん
 白いシモツケさあ、まだある?」

「あれ?
 白じゃないんですよぉ~」


・・・?


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ゲンペイシモツケ
(Spiraea japonica cv.)


サキワケシモツケとも言われて、

同じ株に
白とピンクの花を付けます。


「大きいのあったけど・・・
 ちょっとみてきますね!」



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昔、
むかしのこと

立原道造(詩人)に憧れていた
ちょっと変わった少女が、

擦り切れた詩集を手に

信濃追分に一人旅。



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・・・路の上にしづかな煙のにほひ

僕の一歩がそれをつきやぶる 森が見える 畑に人がいる

* 詩集 日曜日より旅行

***** ***** *****

信濃追分の駅を降り、

左手から
落葉松林の小道を歩いていく。

15分くらい歩き

国道を越えると
追分の宿にでます。


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郵便函は荒物店の軒にいた・・・

村ぐらしより

***** ***** *****


さらに、
歩き続けると

小さなお寺があります。



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その道は何度ものぼりくだり
その果ての落葉松の林には
青く山脈が透いている

村くらしより

***** ***** *****

本当に、
本当にその通りでした。

そして、

目的は・・・


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「泡雲幻夢童女の墓」

立原道造が散策でみつけた
本物のお墓です。


ひとつひとつ、
苔むした墓石を探していると

その戒名に、
おひとりおひとりの人生が、

妙に
生々しく感じられてきました。



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ぼんやりとした記憶なのか

のちの印象なのか

ほんのりと頬を染めた
少女のように


その墓地の道沿いに、

泡のようなシモツケの花が
咲いていたような・・・

そんな景色が
ぼんやりと思い出されるのです。



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便利な機器が身近ではなかった時代。

実際に物語の地を
歩いてみると、

本を読んで、
色々と想像し考えた世界に

少しでも近づけたような気がして、

とても楽しかったんです。


***** ***** *****

ーそれはそのまま 思い出だった
僕は手帳をよみかえす またあたらしく忘れるために

旅装より


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「すいませぇ~ん。
 さっき、売れちゃったみたいですよぉ~
 おじいさんが買っていっちゃったんですって!!」


うっ・・・

いつも、こうなんだよなぁ~


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あぢぢ、あづいよぉ~

当たり前だよ!
何回も何回も行ったあげく、

お店の終わる直前に電話だもんねっ!


その後、

まえちゃんが
小さい苗を見つけてくれました。

まえちゃん、
いつも苦労をかけてごめんね。

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# by choromasa | 2012-07-01 16:37 | 植物

雨の日に思い出して!~コアジサイ~

6月24日


ぽつ、ぽつと

音をたてて降る雨の日は、

幼い姉妹が、
雨の外にとびださないよう

祖父が、

長屋門の下に
ござを敷いてくれたものです。



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コアジサイ
(Hydrangea hirta )


紙の着せ替え人形遊びに飽きると

やんちゃな妹が、
かたつむりを探しに雨の中・・・

私はその頃定番の
ちいちゃな緑の虫かごに

濡れたあじさいの葉を
敷き詰めました。



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「また、怒られるよぉ」


切り抜いた紙の洋服に、

かたつむりの通ったあとの
透明な道。


屋根からの雨の跳ね返りが
むしろを濡らす頃には、

ブルマいっちょうになって
庭を走り回っていました。


***** ***** ***** ***** *****


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思い出を誘う
甘い香り・・・

そう、
これはコアジサイのしわざ。


庭の小道には、
コアジサイの花が満開です。



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木々が大きくなり、
甲斐駒おろしの

冷たい風を
防いでくれるようになったので

今年はとっても見事!


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強い風が嫌いで、

湿った木下が
お好みなので、

当然、
ご一緒できる植物は

限られてしまいますが・・・



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この辺の山の、

そちこちに
多く自生している。


そんな地の植物は、

きっと、
丈夫に育ってくれるに違いない。




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細かい花びらが散り始め


夕方になると、
強い香りが立ち込めてきます。


ほの暗い林に、

ブルーの光のように
浮き上がり・・・



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ふと、

子どもの姉妹を探して

祖父の広い背中が
通り過ぎたような。



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すべてから
優しく包み守られていた頃。

そのありがたさにも気づかず、

思いっきり遊び。

思いっきり冒険をした。


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思い出した
懐かしい祖父の背中に、


そう

あれは、
気づかなかったんじゃない。


気づかないように
育ててくれたんだって。


***** ***** ***** ***** *****

「おおい!
いつまでも、何やってんのっ!!」



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げっ!

夫の呼ぶ声に、
思い出した!

そうだ、夫の誕生日。

そういえば・・・

コアジサイは、
夫の誕生日ごとに1本ずつ植えたっけ!?



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あぁ~あ~

しらないよぉ~~

誕生日って、

そんなことでもしないとさぁ、
思い出さないの?
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# by choromasa | 2012-06-24 15:45 | 農場

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